「好き」を実感した日

 

自担がレギュラーの朝の情報番組で生謝罪をしてから1週間が経った。

 

もはや揺れ動く気持ちをその都度したためて気持ちを整理するのにハマっている。笑

 

今朝は通常通りコメンテーターとして出演していた。

この1週間、彼からファンに向けた言葉は特に無く、今の彼の様子を知れる唯一の場として、緊張しながらその時間を迎えた。

(ファン宛てのweb更新がなかったことに関して、寂しさがないと言えば嘘になるが、私は状況が落ち着いて彼自身が伝えられることを書けるようになるまで待ちたいと思っている。そこは大人の事情もありそうだし、「書けないんだな」って察する文書を読むくらいなら無い方がいい。)

 

初めてワイプに彼が映った時「生きてた」と思った。

あの日から彼のことを思うと真っ先に浮かぶのが謝罪の姿だった。心を塞ぐような暗い目と硬い表情が頭にこびりついていた。ありえないけど、あのまま消えちゃうんじゃないかと不安すら抱いていた。

だからもう「生きててよかった」と安堵した。

私のTLにも「シゲが映った!」の文字が並んだ。元々ドラマで身体を絞っていたのもあるが、痩せて疲れている様子が見て取れたし、表情が硬いのも相変わらずだった。けれど、ほっとした。

ぶっちゃけオタク心は疼いた。やつれて削ぎ落とされて儚げな自担は極限の美を体現してた。とにかく顔がいい。

 

さすがに先週の今日ではニュースにコメントはしづらいだろう、どうするのかなと思いつつ、私はリアタイ組から離脱した。

 

しばらくしてTwitterを覗くと「シゲが喋った!」のツイが流れた。そうか、喋ったか。声も聞けるのか。コメンテーターとして出演しているのだから当たり前のことなんだけれども、この1週間で全く当たり前のことではなくなっていたので、驚いてしまった。

 

その後しばらくは和やかなVTRを観ても真面目な表情を崩さず、今日はこのまま終わるかなーという雰囲気が流れていた。まぁまだ気まずいだろうし無理もない、と。ところが、

「シゲが笑った!!」TLに並ぶ文字。

すぐにどなたかがUPしてくださった。小さなワイプの中で少し口を開いて控えめに笑った。ほんのり笑ってる。すぐにキュッと口を閉じて真顔に戻ってしまったが、確かに笑っていた。

「シゲが笑った!」「シゲちゃんが笑った!」何人かの方が表現していたが、あの瞬間の私達(そう私達)の心には「クララが立った!」並の感動が溢れた。

放送が進むにつれてさらに気持ちがほぐれてきたのだろう、お天気コーナーのミニクイズで指名されて正解を当てると、今度はワイプの中で一瞬ガッツポーズをした。

クイズ解説後のやり取りではもっと自然な笑顔が見れた。

「シゲちゃん!どうしてわかったんですか?!」「勘です。フハハハッ(照)」「あなたは勘がっ(すごい)…正解率80%以上ですよ最近!本当にすごい!」「いやいや…」笑顔全開ではないが、無理のない笑みがこぼれていた。

 

もうね、泣いた。ポロポロ泣いた。

 

先週彼に厳しい言葉をかけて反省を促していた共演者の方々、本当にあたたかい。愛が深い。もはや母親。気まずかろう彼に様子を見ながら少しずつ話を振って、我が子のように褒め、笑顔を引き出してくださった。

TLにもおかんが大量発生していた。「痩せたね。ごはんちゃんと食べるんだよ」喋って笑って一挙手一投足を喜ぶ育児ツイだった。なんて平和。

 

かく言う私も、彼の笑顔で一気に気持ちが晴れた。

 

アイドルってすごいね。その存在が人の心を動かしてしまう。彼の笑顔でこんなにも元気になれる人がいる。

 

彼が持つパワーを改めて思い知る。

あの日以降、彼を見るのが辛くなった?いや、そんなことはなかった。彼が生きて笑ってくれることで私は幸せを感じられる。パッパラお花畑と揶揄されるかもしれないが(いや一応これでも色々考えたぞ?笑)結局は「好き」の気持ちが1番だ。そのことを実感する出来事だった。

 

 

 

もう一つ、大切なことがあった。

自担が書いた短編集の文庫版が出版された。

傘をもたない蟻たちは (角川文庫)

傘をもたない蟻たちは (角川文庫)

 

3年前に発売された単行本に短編が1本加わり、あとがきと解説が新しく付いている。

 

改めて読むと、外の世界のあれこれを忘れるほど没入できる作品ばかりだ。活字が胸に染み込んでくる。

 

そして、あとがき。これを読んだ時に声を上げて泣いてしまった。

ここ数日様々な方の優しさに触れて涙を流すことはあった。今朝だってそうだ。けど、声を出して泣いたのは初めてだった。なんかもう止まらなかった。

 

できれば読んでほしいのでその引用はしないが、帯の文も胸に刺さったので記しておく。

「思い通りにならなくても 生きていかなきゃいけない」

 

あとがきが書かれたのは今年の4月だ。これが発売される頃にこんな世界になっているなんて予想だにしていなかったに違いない。むしろアニバーサリーに向けて期待を募らせていたはずだ。

その世界線は、あの日分岐した。分岐後の世界にいる今の私に届くこととなったことば。でもそれが、私を救った。彼のことばはあの分岐を物ともせず、世界線を飛び越えて私の心を助けに来た。

 

すごい。すごいなぁ。

 

今回のことは彼にとってもファンの私にとても大きな出来事だった。ネガティブな感情だって抱くことになった。でも彼の笑顔は、今も、恐らくこの先も、私を笑顔にしてくれる。私が好きになった彼のことばは、今の私の心にちゃんと染み入る。私が彼を「好き」だと思う大切な部分は変わらないのだろう。

 

そんな風に「好き」を実感する一日となった。

 

 

最後の解説にも泣いてしまった。素晴らしい文章だ。作家としての彼に向けられた言葉。今また読み返してるといいなぁと思う。

そしてできるなら、アイドルとしての彼にもこういう言葉をかけてあげたい。